2022.02.23
カルテット・レスピーロ 5
Quartetto Respiro 5th
カルテット・レスピーロの、5シーズン目のコンサートを開催しました。毎年時期を変えながらも、継続的に展開してきましたカルテットとして、とても有意義な取り組みであると感じています。カルテットを原点より見つめるような、ハイドンとベートーヴェンというプログラム構成から、今回はその力強さや魅力をも表現されているように思います。 変化することが当たり前の時間の中で、変わらず残される偉大な作曲家の作品は、まさに今を生き表現を続ける音楽家にとって、どのような感情を想起させるものなのでしょうか。4人の音楽家が、それぞれの人生の中で作品に向き合い、自身のアイデンティティを重ねながら1つの作品を表現する。少し複雑で難しいもののようにも見えますが、例えるなら1つの良いチームが役割は違っても同じ目的のために物事を達成させるように、音楽家にとっては実はシンプルな行為であるのかも知れません。今の等身大の姿を作品に重ね、それを受け取ってくださるお客様がいる、というシンプルでありながらも貴重な時間は、変化のある時間の中でこそ、深く心に映るような感情による交信なのかも知れません。今思うこと、今できること、今の表現、今の選曲、今の自分、そういったものがコンサートという目に見える形で皆さんと共有できる機会をこれからも大切にしていきたいと思わせてくれる公演となりました。ありがとうございました。