2022.06.18
対等の深奥
加藤志麻・小鷹礼子 デュオリサイタル
チェリスト加藤志麻さんと、ピアニスト小鷹礼子さんのデュオリサイタルを開催しました。全曲ベートーヴェンプログラムということで、集中力、精神力、体力共に使い切るような内容に、まさにお二人の全身全霊のリサイタルとなりました。チェロとベートーヴェンというと、意味深い関係性や楽器としての進化・特性にも関わるような繋がりもあり、まさに対等の深奥と名付けられたタイトルの意味を強く感じます。そしてピアニストにとっても、チェロという楽器の音楽の歴史の中での役割の違いを感じながらの演奏は、異なる作曲家の曲目を演奏するよりも、多くの理解やテクニカルな要素をも求められたのではないでしょうか。 現代の音楽家が、過去の作曲家の作品を取り上げるという大道のコンサートでありながら、その実、中身は一言では語れるようなものでない奥の深い意欲的なリサイタルとなり、開催させていただけたことをとても嬉しく思っております。 まだまだベートーヴェンとピアノの名曲には続きがありますので、ぜひ第二回が開催されることを心待ちにしております。英気を養って、またお二人がベートーヴェンと共に過ごす時を楽しみにしております。ご出演、ありがとうございました。